望むものと歌うこと
私は幼い頃
能天気な人間だった
世界中の全てのものが暖かくて
たまに切なくて
帰り道の檜の木
花の蜜
特等席の海辺
そのうち植物や海と会話出来るなんて
思い込めるくらい夢を見ていた
世界が 人が 大好きだった
馬鹿だなって思うけど
満たされてた
あの日
あの日から怖がりになったし
澄ますことを覚えた
大切なものも自分の手で壊して仕舞うようになった
それとは逆にどんどん賢くなっていく
そんな自分が愚かで不器用に感じるんだ
衝動 愛と憎しみ
儚なさや 素敵な感情
消せないし綺麗に残せない
上手く身体から出していけないから
伝え方が分からないから
今日も私は歌う